東京高等裁判所 昭和24年(う)1150号 判決 1950年7月07日
被告人
海東留之助
主文
原判決を破棄する。
本件を台東簡易裁判所に差戻す。
理由
弁護人松永東、名尾良孝の控訴趣意について。
原審は検察官の請求により裁判所外において証人金子千与松、渡辺彌平等を尋問した際に、検察官をして尋問させただけで、それらの尋問に被告人並に弁護人が立会つているにかかわらずこれらの者に尋問する機会を与えた事跡の見るべきもののないこと、それら証人に対する各証人尋問調書の記載によつて明らかである。してみれば、右各証人尋問は適法になされたものということができないので、右証人尋問調書を採つて以て被告人に対する処断の資に供した原判決は、おのずから違法たるを免れない、従つて論旨第二点は理由あり原判決はこれを破棄しなければならない。